お店や商品のWEBマーケティングに挑戦してみたいけど、やっぱり自分で全部やるのは大変。でもお金もない…
そう思われる小規模事業者のみなさんに、今日はオススメの補助金をご紹介させていただきます。
ズバリ、小規模事業者持続化補助金。
この補助金、広報費やWEBサイト関連費に使うことが可能なんです。
WEB広告やSNS関連費も対象となります!
すでに活用されている方もたくさんいらっしゃいますが、
補助金てほんと、わかりにくいしめんどくさい…
と思われている方も多いと思います。
私も行政文書を見ているとクラクラするので、その気持ちはよーーーくわかるのですが、うまく活用している事業者と活用していない事業者で経済格差が生まれているとも言われるほど、実は補助金というのは私たち小規模事業者のためにいろいろなものが用意されているのです。
この記事でもすごく項目が多くなってはいますが、ポイントだけでもさらっと見ていただければ、だいだいのイメージが掴めるように書いています。
難しいからと敬遠してチャンスを逃しているのはもったいないので、まずはざっくりと理解して、使えるか考えてみてください。
そして使えるものはしっかり使って、あなたの事業の持続性を高めていきましょう!
この記事では「小規模事業者持続化補助金」について、基本的な内容や、申請から交付までのスケジュールのポイントを解説しています。
第15回の公募が2024年3月14日に終了し、第16回の公募については2024年4月17日現在、まだ発表されていません。継続が見込まれますが、保証できるものではありませんので、その点ご承知の上、記事をお読みください。
なお、この記事は最新版の公式ガイドブック(2024年1月16日発行・第11版)をもとに作成しています。
ズバリ、どんな補助金か
公式ガイドブックによると、小規模事業者持続化補助金は、
小規模事業者が自社の経営を見直し、自らが持続的な経営に向けた経営計画を作成した上で行う販路開拓や 生産性向上の取り組みを支援する制度
です。自社の経営計画を作り、それに基づいてビジネスを発展させるための補助金を活用した事業計画を作ることで申請することができます。
もうここで難しそうですよね💦
でも、補助金申請をきっかけに一度自分が考えていることを言葉にしてみるのはすごく勉強になりますよ。困ったらお近くの商工会や商工会議所に相談するといろいろ教えてくれますので、ぜひ相談してみましょう。
要するに何に使えるの?
この後にも詳しく解説していますが、宣伝のためにパンフレットを作ったり、WEBサイトを作ったり、看板を出したりする費用に使えます。また、サービスの向上のために建物を改修するとか、新しい機械を購入するのにも使えます。さらに、新商品の開発やそれを告知するためのイベント、展示会や商談会への参加+その旅費にも使えるなど、使える範囲が幅広い補助金です。
やりたいけどそんな余裕は無いなあ
と思っていたようなものに使える補助金となっていますので、まずは内容を眺めて「あれやれるかも?」「これやれるかも!」と考えてみてください。
いくらもらえるの?
受給金額は50万円〜最大250万円。
金額的にはけっこう大きめの補助金なので、要件に当てはまる方はぜひチャレンジしてみましょう!
そしてこの補助金、一度だけでなく何回も申請することができます。
実際に何度も使っている方もいますので、計画的に取り組んでみましょう。
どんな種類があるの?
小規模事業者持続化補助金には複数の申請枠があり、それぞれ異なる目的と条件があります。通常枠では最大50万円、その他の枠では200万円が受給できます。
- 通常枠(50万円)
- 賃金引き上げ枠(200万円)
- 卒業枠(200万円)
- 後継者支援枠(200万円)
- 創業枠 (200万円)
補助率は全て2/3です。
計画した投資額の2/3までを補助してもらえる、ということですね。
通常枠であれば、75万円の投資を計画してそのうち50万円が補助される、ということになります。
※賃金引き上げ枠のみ、赤字事業者については3/4になります。
さらに2023年にはインボイス特例が追加され、要件を満たせばそれぞれの上限額に50万円が上乗せされるようになりました。
通常枠は最大100万円、それ以外の枠は最大250万円になるということです!
※免税事業者から適格請求書発行事業者に転換する方が対象です。詳しくは別の記事で解説します。
申請する際、免税事業者の方は予定費用を税込み額にすることができますが、課税事業者の方は税抜き額となります(簡易課税、2割特例は対象外)。
※この部分について詳しく確認したい方は、税理士さんなど専門家の方にご確認くださいね。
種類ごとの応募要件
次に、それぞれの枠の応募要件について解説していきます。
通常枠
この枠は「小規模事業者」の要件に当てはまる方なら誰でも応募できる枠です。
他の枠に当てはまらない方も、みなさん使うことができます。
賃金引き上げ枠
この枠の対象は、従業員の賃金を引き上げる事業者です。
具体的には
販路開拓の取り組みに加え、事業場内最低賃金が地域別最低賃金より+50円以上である小規模事業者
となっています。
補助事業の終了時までに、自分の事業所の最低賃金を都道府県の最低賃金+50円以上に引き上げることが条件となります。
(事業場内最低賃金というのは会社の中で1番低い時給、地域別最低賃金というのは事業を行っている都道府県の現在の最低賃金です。)
なお、申請時点ですでに条件を達成している場合には現在の事業場内最低賃金+50円にしなくてはいけないので注意してください。
「賃金引き上げ枠」限定で、直近の決算もしくは確定申告が赤字の方は補助率が3/4に引き上げられますので、当てはまる方はぜひ活用しましょう!
申請時点で従業員がいない場合は対象外となり、計画通りに賃金の引き上げがなされていない場合や引き上げ予定の従業員が途中でやめてしまった場合にも給付対象外となりますので注意しましょう。
申請できる方は従業員が最低1人以上いる事業者となり、1人社長の法人や個人事業主本人は対象外となります。またパートタイム労働者についても規定がありますので、詳しくは補助金ホームページの「参考資料」2Pを参考にしてください。
小規模事業者持続化補助金<一般型> 第15回公募 参考資料
https://s23.jizokukahojokin.info/doc/s23_sanko15_2.pdf
卒業枠
卒業枠は「小規模事業者」を卒業する事業者が対象です。
ガイドブックの記載は
販路開拓の取り組みに加え、雇用を増やし小規模事業者の従業員数を超えて事業規模を拡大する小規模事業者
です。
具体的には
- 商業サービス業(宿泊業娯楽業を除く)は常時使用する従業員の数が6人以上
- 宿泊業娯楽業、製造業 その他の場合は21人以上
にすることが条件となります。
このラインをクリアすると、小規模事業者ではなく「中小企業」となります。
会社のランクアップを目指す方方はぜひ挑戦してみてください。
※「小規模事業者」の定義については次の項で説明しています。
注意点としては、「卒業枠」の補助金をもらうと小規模事業者の定義から外れるので、2回目、3回目の申請ができなくなります。小規模事業者持続化補助金は何度も申請できるのですが、卒業すれば使えなくなるということですね。
補助事業の終了時点で要件を満たしていなければ補助金を受給できません。離職率の高い会社の方は注意してくださいね。
後継者支援枠
この枠の対象者は
アトツギ甲子園においてファイナリスト及び準ファイナリストに選ばれた小規模事業者
です。
アトツギ甲子園は中小企業庁が開催しているコンテストです。
対象者以外は関係ない枠ということになります。
創業枠
この枠の対象者は
産業競争力強化法基づく「特定創業支援等事業」による支援を受けた小規模事業者
です。
特定創業支援等事業の認定は、商工会議所で開催される創業セミナーに参加したり、商工相談員やアドバイザーの支援を受け、創業計画書を作成するなどが条件となります。
詳しくは、管轄の商工会議所に問い合わせてみてください。
また、「創業」枠なので、上記「支援」を受けた日、および開業日(設立年月日)が、公募締め切り時から起算して過去3ヵ年に含まれている必要があります。
創業枠は、複数回申請することはできません。
また、代表が複数いる法人が代表者を変えて再度申請することもできません。
「小規模事業者」の定義
次に、この補助金の対象となる「小規模事業者」の要件について解説していきます。
下記は公式ガイドブックの該当箇所の転載です。
<公式ガイドブック3P>
詳細は以下の通りです。
従業員の数で判断する
ガイドブックによると
商業・サービス業の方(宿泊業・娯楽業を除く)は常時使用する従業員の数が5人以下
宿泊業・娯楽業の方と製造業その他の方は常時使用する従業員の数が20人以下
の法人、個人事業主、特定非営利活動法人と定義されています。
従業員に含まれない人
下記の方は「常時使用する従業員」に含まれません。
- 会社役員(従業員との兼務役員はOK)
- 個人事業主本人および同居の親族従業員(いわゆる専従者給与をもらっている人)
- (申請時点で)育児休業中・介護休業中・傷病休業中または休職中の社員
- 期間雇用者や労働時間が短いパートタイム労働者
詳しくは別紙資料の2ページを参照してください。
※特にパートアルバイトの方について、細かい条件などは補助金の事務局や専門家の方に相談されることをおすすめします。
対象外となる法人格
公募要領の5ページで「補助対象にならない者」も規定されていて、医療系、農業系、一般社団法人、公益財団法人、協同組合などは対象外ですので、自分が対象になるかきちんと確認しておきましょう。
どんな経費に使えるのか
ガイドブックの対象経費のページはこちらです↓
<公式ガイドブック2P>
順番に見ていきます。
機械装置等費
これは、顧客サービスを向上させるものが対象となります。お蕎麦屋さんがかき揚げをメニューに追加するためにフライヤーを導入するなどもOKです。
広報費
チラシやパンフレットなどを作る費用のほか、看板の設置や、認知度向上のためのイベント開催も対象です。
ウェブサイト関連費
ホームページの構築やリニューアルはもちろん、SNSマーケティングの費用も含まれます!
展示会等出展料
大きな会場の展示会はかなり宣伝効果がありますが、ブースを作ったり試供品を用意したり、けっこうお金がかかります。ぜひこの機会にチャレンジしてみましょう!
旅費
展示会参加や商談の旅費も出ます。オンラインでの販売にも対応できるような業種の方は、ぜひ大都市の展示会を検討してみましょう!
新商品開発費
これも小規模事業者にとっては嬉しい!温めていたアイディアを具現化できるかもしれません。
資料購入費、借料、処分費
このあたりも出るのはありがたい!
ぜひ活用しましょう。
委託外注費
これは、実は店舗の改装や増築などにも使えます!業務効率化のためのシステム構築なども対象です。ためらっていたインフラ整備にぜひ使いましょう。
以上の10項目が、小規模事業者持続化補助金の対象費用になります。
けっこう幅広く使えるのがおわかりいただけたでしょうか?
いろいろなアイディアで、これまでやりたかったけれどできなかったことに挑戦してみてください!
ウェブサイト関連費は、補助金総額の1/4(最大50万円)が上限となっています。
200万円の補助金が認められたとして、50万円までが対象となります。他の費用と組み合わせて申請する必要がありますので、その点は注意しましょう。
申請スケジュール
次に申請スケジュールについて見ていきます。
2024年4月17日現在、第16回の公募情報は発表されていません。
毎回、募集から補助金交付までの期間などはほぼ同じなので、第15回のスケジュールを確認し、公募が発表された際に慌てないように準備しておきましょう!
【第15回のスケジュール】
- 事業支援計画書の交付申請 3月7日(木)まで
- 申請締め切り 3月14日(木)まで
- 採択発表(交付決定通知) 5月下旬頃
- 事業の実施 10月31日(木)まで
- 実績報告書の提出 11月10日(日)まで
それぞれの内容も見ていきます。
事業支援計画書の交付申請
応募には、管轄の商工会か商工会議所に経営計画書と補助事業計画書を確認してもらい、事業支援計画書(様式4)を発行してもらう必要があります。
書類の不備のチェックや内容のアドバイスもしてくれるので、早めに準備して持っていくようにしましょう!
申請方法には電子申請と郵送申請があり、電子申請は締切日の23時59分まで可能です。
電子申請を利用するには「gBizID(ジービズアイディー)プライムアカウント」というものが必要になり、取得まで3〜4週間ほどかかりますので、こちらも早めに準備しておきましょう。
gBizIDはデジタル庁が運用しているIDで、こちらのサイトから取得できます↓
https://gbiz-id.go.jp/top/
申請締め切り→採択発表(交付決定通知)
申請完了後、2カ月程度で採択発表となります。「交付決定通知書」が発行されますので、これを受け取ったら事業を始めます。交付決定以前に契約や支払いをしたものは補助金の対象になりませんので注意してください。
事業の実施
計画した事業を実施期間内に行います。納品や支払いまで全てを期間内に完了する必要がありますので、計画的に実施しましょう。
実績報告書の提出
事業が終了したら、書式に従って実績報告書を提出します。その後、報告書の審査を経て補助金が入金されます。
小規模事業者持続化補助金は、申請から補助金交付までに11ヶ月ほどかかります。その間は自己資金で事業を実施することになりますので、事前に十分な運転資金を確保するよう注意しましょう。
補助金をうまく活用して事業をパワーアップ!
今回は小規模事業者持続化補助金について、内容とスケジュールの概要をお伝えしました。
WEBや無料ツールを利用して、お金をかけずに自分でできることは増えていますが、 忙しい小規模事業者には「なんでもかんでも自分ではできない!」ということもありますよね。
国や自治体が用意している補助金も上手に活用して、あなたの事業を少しずつ、でも着実にパワーアップしていきましょう!