WEBマーケティングでSNS広告は欠かせないツールですが、一口にSNS広告と言っても、さまざまな種類があります。この記事では、SNS広告の種類について詳しく解説し、各プラットフォームの強みや課金方式、どんなビジネスに向いているかなどをご紹介します!
SNS広告とは?基本的な特徴
SNS広告とは?
SNS広告とは、FacebookやInstagram、X(Twitter)などのソーシャルネットワーキングサービス上に表示される広告です。SNS広告は一般的に、ユーザーのデータを駆使したターゲティング精度の高さと、ユーザーの興味関心に基づいた配信ができるのが特徴です。
SNS広告とリスティング広告の違い
SNS広告とよく比較されるものとしてリスティング広告があります。
リスティング広告は、googleやYahoo!などの検索エンジン上で、ユーザーが検索したキーワードをもとに広告を表示させる広告手法です。ユーザーが興味がある事柄や解決したい課題に対してピンポイントで配信できるため、すでに欲しい情報が明確になっている顕在層へのアプローチに強みを持つ手法となります。
ただ、オークション形式で配信単価が変動するため、競合が多いと単価がどんどんと上がっていってしまうというデメリットがあります。
SNS広告のメリット
①細かくターゲットを絞れる
SNS広告は、ユーザーの個人情報(年齢、性別、地域など)のほか、興味関心、行動履歴をのデータなどから、とても細かいターゲティングが可能です。これにより、自社の商品やサービスのターゲットに効率的良くリーチすることができます。
②少ない予算で効率よく広告を出せる
SNS広告は、場合によっては1円から設定することも可能で、最小限の予算で始めることができます。パフォーマンスを測定しながら柔軟に戦略を変えていくことができるので、費用効果の高い広告運用が可能です。
③リアルタイムで効果測定できる
広告のパフォーマンスをリアルタイムで測定できる点も大きなメリットです。クリック数、コンバージョン率、インプレッション数などの基本的なデータは無料で見ることができるので、広告の効果をすぐに確かめることができます。
④いろいろな広告フォーマットがある
SNS広告には、画像広告、動画広告、カルーセル広告など、さまざまなフォーマットがあります。目的やターゲットに応じて最適な広告形式を選択でき、ユーザーが日常的にSNSを使う中で自然に目にしてもらうことができます。
⑤検索ワード対策よりも柔軟な広告表示ができる
ホームページ(WEBサイト)のSEO対策やリスティング広告では、ユーザーが検索するワードに合致する内容の広告でなければなりませんが、SNS広告では①で説明したようにユーザーの趣味・趣向や行動特性に基づいて広告がおススメされるため、直接は検索されない内容や、一般に認知されていないサービスでも、興味・関心の近い人リーチすることができます。
SNS広告を選ぶポイント
①自社のターゲットユーザーが多く利用しているSNSを選ぶ
SNSはその種類により、利用しているユーザーの年齢層や性別などに特徴があります。自社の商品・サービスのターゲットが多く利用しているSNSを選びましょう。
②プラットフォームの特性を理解する
同様に、各SNSはそれぞれ利用者に傾向があります。「インスタグラムは画像や動画など視覚的コンテンツの共有がメインで、ライフスタイルを発信したり好きなお店やブランドをフォローする傾向が強い」、「X(Twitter)はリアルタイムの情報収集に優れており、ニュース、政治やエンタメの話題が人気」など、それぞれのSNSの特性を理解して、自社の商品やサービスに適したものを選ぶようにしましょう。
各SNSの利用者層や、ユーザーの特性はこちらの記事にまとめています🔽
【サクッとわかる】6大SNSの特徴 SNSマーケティング、結局どれ使う?
③広告フォーマットの種類を理解する
各プラットフォームともに、多様な広告フォーマットを提供しています。画像広告、動画広告、カルーセル広告など、それぞれに特徴がありますので、目的に応じて最適な広告フォーマットを選びましょう。
④課金方法を理解し、予算に合うものを選ぶ
課金方法にも、インプレッション課金、クリック課金、動画再生課金などさまざまな種類があり、プラットフォームごとに価格も異なります。どのくらいの予算でどんな効果をどれくらい期待するのか、最初に計画を立てて取り組みましょう。
主要SNS広告の種類と特徴
ではここから、プラットフォームごとにSNS広告の種類と特徴を見ていきます。
X(Twitter)広告の種類と特徴
X(Twitter)広告の主なメリット
- リアルタイム性が高い
- 拡散力が高い
- 広範囲にリーチできる
- ターゲット設定が豊富で精度も高い
Twitterはニュース性やトレンド性が高く、知らない人同士でも同じ趣味や話題の情報を交換するのに利用される傾向にあります。ユーザーの「いいね」や「リポスト(リツイート)」による二次拡散力も高く、短期間で広く拡散したいイベントやキャンペーンの広告に向いています。
X(Twitter)広告の主な種類
- プロモツイート…ユーザーのタイムラインに他の投稿と馴染むように表示されるテキスト型の広告
- プロモアカウント…タイムラインに「おすすめアカウント」として表示されます。フォロワーの獲得を目的に使います。
- プロモトレンド…「トレンドリスト」や「話題を検索」というタブの上部に広告を表示し、特定の話題をトレンドとすることで、認知拡大を図ります。
- アプリボタン広告…アプリをPRする広告です。
X(Twitter)広告の主なフォーマット
- テキスト
- 画像+テキスト
- 動画+テキスト
- カルーセル
X(Twitter)広告の主なターゲティングの種類
- ユーザー属性
- キーワード
- 特定アカウントのフォロワー
X(Twitter)広告の課金方式
インプレッション課金(CPM) | ・広告が表示された時に課金される。 ・1000回の表示で400〜650円 |
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クリック課金(CPC) | ・広告やリンクがクリックされた時に課金される。 ・1クリック24〜200円 |
フォロー課金 | ・フォローされた時に課金される。 ・1フォロー40〜100円 |
エンゲージメント課金 | ・広告に「いいね」やリポスト(リツイート)などが発生した時に課金される。 ・1エンゲージメント40〜100円 |
アプリインストール課金(CPI) | ・アプリがインストールされた時に課金される。 ・1インストール100か〜250円 |
動画再生課金(CPV) | ・動画広告がせ再生された時に課金される。 ・1再生5〜20円 |
Instagram広告の種類と特徴
Instagram広告の主なメリット
- 画像・動画のビジュアルコンテンツの訴求力が高い
- 高いエンゲージメント率
- Facebookとの連携による精度の高いターゲティング
インスタグラムは視覚に訴えるビジュアルコンテンツにより、アカウントとフォロワーの親密性を高め、ファンコミュニティによる活発なコミュニケーションを生むのが特徴のSNSです。ビジュアル要素が重要な、飲食店やグルメ、旅行、アパレル、美容、住宅業界などの認知獲得やブランディングに適しています。
Instagram広告の主な種類
- フィード広告…フィード画面で表示
- ストーリーズ広告…ストーリーズ画面で表示
- リール広告…リール画面で表示
- 発見タブ広告…発見タブ画面で表示
- ショッピング広告…画像広告の商品部分に商品のタグ付けをすることができる
Instagram広告の主なフォーマット
- 画像
- 動画
- カルーセル
- コレクション
Instagram広告の主なターゲティングの種類
- ユーザー属性
- 興味関心
- 行動ターゲティング
- リターゲティング
Instagram広告の課金方式
インプレッション課金(CPM) | ・広告が表示された時に課金される。 ・1000回の表示で100〜500円 |
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クリック課金(CPC) | ・広告やリンクがクリックされた時に課金される。 ・1クリック100〜200円 |
アプリインストール課金(CPI) | ・アプリがインストールされた時に課金される。 ・1インストール100〜200円 |
動画再生課金(CPV) | ・動画再生課金(CPV)・動画広告がせ再生された時に課金される。 ・1再生100〜200円 |
インフルエンサーへの依頼
Instagramでは多数のフォロワーを持つインフルエンサーに広告を依頼することもできます。その場合は1フォロワーにつき2〜6円程度が目安となっています。
Facebook広告の種類と特徴
Facebook広告の主なメリット
- 詳細なターゲティング
- 高いコンバージョン率
- 多様な広告フォーマット
Facebookは実名のSNSで、個人情報を明確にしてビジネスやキャリアでつながりがある人との交流を目的に利用している人が多いです。このためアカウントの信頼性が高く、ビジネスパーソン向けの商品やサービスの広告に向いています。Instagramと同じMeta社なので、広告の種類やフォーマット、課金方式は似ていますが、ユーザーの特性で違いがあります。
Facebook広告の主な種類
- フィード広告…フィード画面で表示
- ストーリーズ広告…ストーリーズ画面で表示
- インストリーム動画広告…動画コンテンツの視聴後に表示
- 検索結果広告…検索結果画面に表示
- インスタント記事広告…インスタント記事の閲覧後に表示
- 右側広告枠…PCの右側広告枠に表示
Facebook広告の主フォーマット
- 画像広告
- 動画広告
- カルーセル広告
- スライドショー広告
- コレクション広告
Facebook広告の主なターゲティングの種類
- ユーザー属性
- 興味関心
- エリアターゲティング
- 学歴・キャリアターゲティング
- リターゲティング
カスタムオーディエンス
顧客リストを持っている場合、Facebookならメールアドレスや電話番号のような個人情報を使ったターゲット設定も可能です。自社の商品・サービスに興味のある見込み客にまさにピンポイントでリーチすることができます。
Facebook広告の課金方式
インプレッション課金(CPM) | ・広告が表示された時に課金される。 ・1000回の表示で100〜500円 |
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クリック課金(CPC) | ・広告やリンクがクリックされた時に課金される。 ・1クリック100〜200円 |
LINE広告の種類と特徴
LINE広告の主なメリット
- 高いリーチ率
- 開封率の高さ
- 直接的なコミュニケーション
LINEは日本のSNSユーザーの90%が利用しており、60〜80代の高齢層にもリーチすることが可能です。日常のシーンの中で利用されるSNSのため、地域密着型のサービスなどに向いています。少額で個人でも利用でき、申し込み方法も簡単です。
LINE広告の主な種類
- トークリスト広告…トークリスト最上部の枠に表示
- LINE NEWS広告…ニュース閲覧ページに表示
- LINE BOOM広告(旧タイムライン広告)
- LINEマンガ広告
- LINE BLOG広告
- LINEポイント広告
- LINEショッピング広告
LINE広告の主なフォーマット
- 画像(カード型、スクエア型、カルーセル型、スモールイメージ)
- 動画(カード型、スクエア型、バーチカル型)
LINE広告の主なターゲティングの種類
- ユーザー属性
- 興味関心
- 広告グループ
LINE広告の課金方式
インプレッション課金(CPM) | ・広告が表示された時に課金される。 ・1000回の表示で400〜900円 |
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クリック課金(CPC) | ・広告やリンクがクリックされた時に課金される。 ・1クリック40〜150円 |
友だち追加課金(CPI) | ・友だち追加をされた時に課金される。 ・1ユーザー100〜400円 |
YouTube広告の種類と特徴
YouTube広告の主なメリット
- ユーザー層の広さ
- 高い閲覧率
- Googleのデータを活用した精度の高いターゲティング
YouTubeは若い世代から高齢者層まで幅広い世代で男女問わず利用されており、広告はユーザーのホーム画面や視聴中の動画の中で再生されるため、リーチ力が高いです。動画プラットフォームとして全世代に対して不動の地位を確立しつつあり、どのような企業でも利用を検討する価値があります。
YouTube広告の主な種類
- スキップ可能なインストリーム広告
- スキップ不可のインストリーム広告
- インフィード動画広告
- バンパー広告
- アウトストリーム広告
- マストヘッド広告
YouTube広告の主なフォーマット
- 画像
- 動画
YouTubeの主なターゲティングの種類
- ユーザー属性
- 興味関心
- 行動ターゲティング
- リマーケティング
YouTube広告の課金方式
動画再生課金(CPV) | ・動画広告が30秒以上再生された時に課金される。 ・1再生3〜20円 |
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インプレッション課金(CPM) | ・広告が表示された時に課金される。 ・1000回の表示で100〜500円 |
クリック課金(CPC) | ・広告やリンクがクリックされた時に課金される。 ・1クリック100〜200円 |
TikTok広告の種類と特徴
TikTok広告の主なメリット
- 高いバズ効果
- 若年層へのリーチ力
- インパクトのある短尺動画
特に20代以下の若い世代に圧倒的に支持されているSNSで、利用時間も長いことが知られています。ユーザー参加型のコンテンツがバイラル効果を生みやすく、当たれば非常に高い効果が見込めます。
TikTok広告の主な種類
- インフィード広告…一般の投稿の中に表示
- 起動画面広告…アプリ起動時に表示
- チャレンジ広告…ハッシュタブを活用したタイアップ広告
ターゲティングオプション
- ユーザー属性
- 興味関心
- 行動ターゲティング
TikTok広告の課金方式
動画再生課金(CPV) | ・動画広告が30秒以上再生された時に課金される。 ・1再生5〜60円 |
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インプレッション課金(CPM) | ・広告が表示された時に課金される。 ・1000回の表示で100〜1000円 |
クリック課金(CPC) | ・広告やリンクがクリックされた時に課金される。 ・1クリック30〜100円 |
期間契約 | ・期間で契約し、定額の広告料を支払う。 ・100万円〜1000万円 |
SNS広告の効果を高めるためのポイント
広告の目的を明確にする
SNS広告を始める前に必ずするべきことは、目的を明確にすることです。
「認知の向上」「フォロワー増加」「申込数の増加」「キャンペーン利用者の増加」「WEBサイトの訪問者増加」など何を目的にするのか、また「どうなったら成功なのか」を考えておきましょう。目的は、ターゲティングや広告クリエイティブの制作、予算配分など、すべての大元です。
広告を「どのような人に届けたいのか」明確にする
SNS広告はプラットフォームごとに細かいターゲティングができるのが強みですが、これを最大限活かすためには、どのような人に広告を届けたいのか、明確に決めておくことが重要です。
- 年齢や性別
- 居住地
- 家族構成
- どのようなことに関心ああるか
- どのような生活を送っているか
- どのような悩みごとを抱えているか
これらを、なんとなくイメージするだけではなく、書き出して整理しておきましょう。
ターゲットの考え方、さらに、広告などのメッセージを届けやすくするための「ペルソナ」について、こちらの記事で解説しています🔽
【もうお客に振り回されない!】理想の顧客「ペルソナ」が成功を連れてくる
SNSに馴染む広告クリエイティブを作る
SNS広告では、それぞれのプラットフォームの特性に合わせたクリエイティブを制作することが重要です。タイムラインに馴染み、ユーザーが自然に興味を持ってクリックしたくなるように工夫しましょう。期間を決めてA/Bテストを実施し、どのようなクリエイティブに反応があるかを調べるのもよいでしょう。
また、SNSのトレンドは日々、移り変わります。一度作ったらそのまま使い続けるのではなく、広告の成果を確認しながら、常に改善・最適化をしていきましょう。
広告の効果を測定して常に最適化する
各プラットフォームが無料で提供する効果測定ツールを使用して、SNS広告のクリック率(CTR)、コンバージョン率(CVR)、インプレッション数、エンゲージメント率などの指標を確認します。これらのデータを活用して広告のパフォーマンスを評価し、必要に応じてターゲティングやクリエイティブ、配信時間などの見直しを行いましょう。目的に合わせて効果の高い広告に予算を集中させることで、予算を最適化することもできます。
動画広告も積極的に取り入れる
SNSでの動画の重要性はどんどん高まっています。動画には
- 自然に再生されるとつい見てしまう
- インパクトがある
- 印象に残りやすい
- Instagramのリール動画やYouTube、TikTokは動画の拡散力が強い
というメリットがあり、SNSをやっていても「動画しか見ない」というユーザーも増えています。
動画広告は静止画広告に比べてハードルが高いと感じられる人も多いかもしれませんが、初心者でも簡単に制作できるツールも増えていますし、動画制作を請け負うフリーランスも増えていますので、こうしたサービスを駆使してぜひ挑戦してみましょう。